ヒノボリの運営は愛媛県伊予市にある株式会社日昇の広報担当者が担当しています。日昇はインテリア商材のWebショップ事業の他、リフォーム事業を営んでいる会社です。
なぜ民間企業である私たちが地域のPRを行うのか、今回は少しお話させてください。
立ち上げのきっかけ
ヒノボリは2020年6月にスタートしました。当時は新型コロナウィルスが流行り始めた時期。社会の情勢にあわせて会社としても新しい方向性を模索しているときでした。会社の広報を担う部署として、新しい取り組みを検討することになりました。
当時の広報担当はカキウチ1名のみ。最初はひとりで構想を練り、今まで会社の広報手段としてあまり力を入れていなかったSNS、特にInstagramをはじめてみることにしました。
しかし、企業アカウントを普通に作り、会社の取り組みを情報発信したからといって、すぐに認知してくれるほど世間は甘くありません。いち中小企業の情報発信なんて、一般的にはそんなに興味がないはず。私自身も、自社のことばかり紹介している企業SNSはフォローしないはず。何かしらの「アカウントをフォローし、見続ける理由」が必要だと考えました。

そこで行き着いたアイデアが「地域貢献」に特化したアカウント運用。日昇については特に触れず、まるっと伊予市について情報を提供してみたらどうか、と考えました。
また、アフターコロナの社会では、今まで以上に「地方移住」に対する憧れを持つ人・実際に行動を起こす人が増えるのではと考えました。彼ら彼女らに「愛媛県伊予市の豊かな暮らし」の情報が届けば、移住者や関係人口が増やせるかもしれません。
「地方移住」についての情報をいろいろ調べてみると、「農業をやりたい」「事業を起こしたい」などハードモードな事例紹介はたくさんありました。しかし、二拠点移住やテレワーク、関係人口などがトレンドになっているように、これからの時代はもう少しライトな移住を検討する人が多いのではないでしょうか?
「ライトな移住」とは、私たちが日昇で働きながら伊予市で生活しているように、会社勤めしながら地方暮らしを楽しむライフスタイルのこと。つまり、私たちが日常で感じるワクワクをそのまま紹介すれば、いま伊予市に住んでいる人にも、伊予市に移住を考える人にも、共感してもらえるのではないかと思い至りました。
近所のお店、施設、自然、人、コミュニティなど、「普通の暮らし」の豊かさを届けていきたい。もともと、伊予市は派手な観光資源がある町ではないのです。だからこそ、穏やかにのどかに暮らせる点が魅力だと思います。
以上のことから、ヒノボリのターゲットは「伊予市近郊に暮らす人」としました。そして「将来の伊予市民」という意味で、移住希望者もセカンドターゲットとして想定しています。
ヒノボリのコンセプトについて
「ヒノボリ」の名前の由来をよく聞かれます。いきなり種明かしをすると、ヒノボリ→日昇←にっしょう。そう、日昇の別読みがヒノボリなのです。「あっ!」と気づいた人は「ヒノボリ=日昇のアカウント」だと印象に残りやすいはず。あえて「日昇」と言わず、遠回りで「日昇」を認知してもらえるしかけです。
ロゴマークにもこだわりを詰め込みました。日昇ではインテリアのネットショップ事業を営んでいます。メイン商材はインテリア照明なので、「照明=暮らし」を表しています。そして、太陽は日昇の名前通り、日が昇るイメージ。「太陽=自然」を表しています。人々の暮らし(照明)と自然(太陽)の調和がとれている町をイメージしてロゴにしました。そう、この伊予市のように!

ヒノボリのロゴについては、知り合いのイラストレーターさんにお願いし、こだわりを持って作成しました。グッズを作りたかったのでグッズ化時に予算を押さえられるよう2色とし、ヒノボリを知らない人でも「デザインが可愛いからグッズが欲しい」と思ってもらえるデザインを検討しました。
おかげさまで、イベントで販売しているヒノボリバッグは人気で多くの人に買っていただけました。新たなグッズとしてヒノボリ刺繍ハンカチタオルも制作しています。お世話になった人に配った非売品のヒノボリTシャツも、着用しているといろんな人に声をかけられるそうです。コミュニケーションが生まれるロゴに育ってくれて、非常に嬉しく思っています。
ヒノボリの活動方針を考えてみた
ありがたいことにヒノボリのフォロワーさんが1.7万人(2023.8時点)を超え、ヒノボリへお声掛けいただく機会が増えました。その中には「たくさんフォロワーのいるヒノボリさんに、〇〇を紹介してほしい!」と依頼されるケースもあります。
お声掛けいただけるのはとてもありがたいことです。ヒノボリをはじめた当時では考えられなかったことです。しかし、依頼のあった案件を何でも受け付けていると、宣伝アカウントになってしまいます。私たちは宣伝で収益を得ようとは思っていません。あくまでも自分たちの主観で、自分たちが主体的に紹介したいものを選びたいと考えています。
また、私ひとりからはじまったヒノボリは、現在3名で運営しています。関わる人が増えても一人ひとりの個性は大事にしつつ、ヒノボリの軸をぶれさせないことも重要だなと思っています。
そこで、私たちの活動ポリシーを、パーパス、ミッション、ビジョン、バリューに落とし込んでみました。

私たちのパーパス
パーパスとはアカウントの運用目的のこと。ヒノボリがなぜ存在するのか?社会にとっての存在意義を現しています。
ヒノボリのパーパスは、日常にある価値の再発見により、地域とともに豊かになる、としました。ヒノボリメンバーは日々、地域の色んな方とお会いする機会が多いです。その中でも、伊予市外、愛媛県外出身者から伊予市の魅力を伺って、私たちもハッとさせられることが多いのです。
はじめての環境や旅先の日常はキラキラ輝いて見えるもの。これらの感覚を忘れず暮らせたら、日常はより豊かになるのではないでしょうか。ヒノボリの投稿で豊かな暮らしの断片を拾っていき、みなさんに提案していきたいです。
私たちのミッション
ミッションは、目的を実現するために、何をするのか?を現します。
ヒノボリのミッションは、組織や地域の「縁側」的役割を担う、としました。組織とは、日昇やヒノボリの在籍するPR事業部のことです。地域とは、私たちが暮らす場所のこと。伊予市のように行政区域に限らず、私たちの生活圏内です。
これらの「縁側」的役割とは?縁側の対比は正面玄関です。お客様が正式な訪問をする際は玄関からやってきます。対して縁側は、道路や隣の家からも声がかけやすい、ウチとソトが繋がった場所です。私たちが縁側で楽しそうに活動していたら、ソトから人が集まり、お声が掛かります。この循環が新しい価値や縁を生み、さらなる大きな活動に繋がると考えています。
ヒノボリのSNSを日昇の「縁側」にしたい。実際、ヒノボリのつながりでSNS講師をさせてもらう機会やメディアの方を紹介してくもらったことがあります。日昇の求人へ応募してくださった方の中には、もともと日昇を知らなかったけどヒノボリは知っていた、なんてこともあります。ヒノボリ経由で本業のインテリア照明の販売やリフォーム工事が決まったことも。
そして、メディアや行政の方が伊予市の紹介をする際に、ヒノボリを活用してくださっています。今まで幾度もテレビやラジオ、雑誌、ライブコマースなどに何度も出演させていただきました。伊予市の地域貢献に、ヒノボリ活動がお役に立てると嬉しいです。
私たちのビジョン
ビジョンは、目的実現のためのプロセスにおいて進む方向性、中長期的に目指す状態です。
ヒノボリのビジョンは、地域と関わり、巻き込み、伊予市に住みたい人・関わりたい人を増やす、としました。最初に考えたように、伊予市に住む人に地元の魅力を再発見してもらいたいし、伊予市に住みたい、移住したい、旅行したいと考る人をひとりでも多く作りたいなと思っています。
つまり、ヒノボリや伊予市のファンを増やしたいですね。ヒノボリのいう「ファン」とは、ヒノボリの情報によって「動く」人のことをいいます。
まずは投稿にいいねする、保存する、コメントする、も「動く」です。エンゲージメントの高い運用を心がけています。そして、ヒノボリの投稿で知ったお店や施設のアカウントをフォローし、実際に行ってみる、人に口コミするなどの次の行動に移してもらいたい。そして、最後には伊予市に来たり、移住したりすることができるよう、信頼を積み上げていきたいです。
私たちのバリュー
バリューは、ミッション、ビジョンを達成するために、自分たちが大切にする価値観や運営指針です。
ヒノボリでは下記の3点を掲げています。
- フォロワーファーストの精神をもつ
- ワクワクを感じて行動する
- 熱量や想いがあるヒト・モノ・コトとつながる
フォロワーファーストをいちばんに掲げたのは、自分達の都合で発信したい情報ではなく、見ている人が本当に知りたい情報を大事にしたいからです。まずはそこから信頼を積み上げていきます。
ワクワクを感じて行動するは、投稿者自身の主観を大事にしたいからです。自分たちが心を揺さぶられた何かを紹介すると、共感を呼び誰かに確実に伝わります。
熱量や想いに引き寄せられると、自分も共感の気持ちが産まれます。それが自分たちのワクワクに伝播してくるからです。多くの熱量や想いに触れられるよう、私たちのアンテナの感度も上げていきたいです。
ヒノボリが投稿するもの/しないもの
上記を踏まえて、ヒノボリで投稿するもの、しないものも具体的に決めていきました。いつもヒノボリの投稿を見てくださっている方は納得する内容になっていると思います。
こちらはヒノボリの置かれている環境や社会の状況変化に伴って、随時見直しをしていきます。


さいごに
今回はヒノボリのはじまりと現在の活動方針について語ってみました。運用開始当時から考えると想像もつかないほど、ヒノボリを通じてたくさんの経験を積ませてもらいました。
これからもヒノボリは大きくなり、活動の幅が広がっていくと思います。初心を忘れず、みなさんに受け入れられるヒノボリでありたいなって思っています。
これからもよろしくお願いします。
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